記者コラム

久々の青空

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 一体、何日ぶりの青空だろうと思うほど、17日の晴天を歓迎した。4月下旬から全く太陽が顔を出さない日が続いた。日中の気温は平年の半分以下。雨の日が続いて、うっとうしい毎日だった◆農家の嘆きはもっと深刻だ。出番がとっくに過ぎた苗を畑に植えられない。玉ネギ、ビートの定植が遅れる。対策も何もできない。ただただ天候回復を待つばかりだ。秋まき小麦は、あまりの気温の低さに越冬準備の勘違いが起こるのではと心配される。日中の気温が2度前後では当然か◆農作物栽培のプロの改良普及員でさえ、経験のない事態だ。どんな影響が出てくるのか、見当もつかない。天候が回復しても、一気に気温が上がれば今度は成熟が間に合わず伸びる徒長気味になる心配も出てくる。どれだけ少ないダメージに抑えられるかが、今年の営農のポイントになりそうだ◆農業関係者の心配はさらにある。遅れた作業をばん回しようと、無理をしないか。農作業事故に注意をしてほしいと呼びかける。体にも無理がかかる。健康面にも気をつけたい。何よりも、不安な毎日で気持ちのダメージも大きい。農家の苦悩は出来秋まで続くだろう。さまざまなケアも重要になってくる。 (本多)