記者コラム

農作業と天気

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 中学生ごろだったと思うが、友達の農家の手伝いにかり出された。ふる里はコメの産地だったので、稲刈りの手伝いだ。当時、“稲起こし”と言って、刈り取り前の稲を片方に倒しておく。腰をかがめて一日中、稲を倒していく作業だった。体力が有り余っている身だったが、さすがにギブアップだった。後にも先にも本格的に農作業をしたのはこの時だけだった◆低温や雨で農家の作業が大幅に遅れている。美幌町農協の職員と美幌町の職員が“援農”に出向いている。ビートは定植作業と補植作業が同時進行となって、人手が足りないからだ。玉ネギも同様だ。補植が遅れると収量にも響いてくるから、そこに応援隊が入っている◆美幌町職員に聞くと、昭和50年前後まで援農があったという。緊急的な援農ではなく、春先の作業の人手となって、ビートの植え付けなどを手伝っていた。その後しばらく援農はなく、一昨年に美幌町農協が小規模の援農を実施した程度だ◆低温と雨と日照不足。この異常気象はいつになったら収まるのか。都市部では景気回復の話題が多いが、美幌地方は農家の元気が最大の活力だから心配だ。少しでも生育回復につながる天気になってほしい。   (本多)