記者コラム

特別警報運用開始

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 気象庁は8月30日から「特別警報」を運用開始する。最も危険度の高いレベルの警報として、命を守る行動を呼びかけるものだ。警報の発表基準をはるかに超えて重大な災害の恐れのある場合に発令される◆大雨、暴風、高潮、波浪、暴風雪の6種類を対象としている。東北地方を襲った東日本大震災、伊勢湾台風、平成23年の台風12号などが特別警報に当たるとしている。これまで、各自治体が出す避難勧告や避難指示が住民の速やかな避難行動に必ずしもつながっていないことから、より危険度を示すことで早い避難につなげるための措置だ◆28日に中国地方の山口県萩市須佐を襲った豪雨は、運用開始に先駆けて特別警報に準じた発表となった。1時間に138・5ミリの集中豪雨だった。美幌町で今年7月に降った雨は29日までで72・6ミリだから、その豪雨ぶりは想像もつかない。異常で片付かない“気象災害”が増えているだけに、特別警報の役割は大きい◆オホーツク地方でも、昨冬の暴風雪があった。車が立ち往生し身動きがとれないまま一晩を過ごす人が相次いだ。水害や地震の少ない地方だが、雪の災害だけは要警戒である。「特別警報」に気を配りたい。 (本多)