記者コラム

こわごわ運転

  • 印刷

 平地が真っ白な風景に変わって、朝は路面に氷が張っている。通勤時に、毎朝1台、2台と路肩に突っ込んでいる車両を見る。スリップ事故が最も多くなる初冬を迎えている。特に朝、晩の冷え込み時間帯は要注意だ◆長く後輪駆動車、いわゆるFR車に乗っていた運転が染み付いている。“こわごわ運転”だ。発進時は、ゆっくりと回転数を上げて走り出す。車間距離は十分過ぎるほど開ける。カーブはしっかりと減速する。ブレーキは当然早め。とにかく、滑らないためのあらゆる手段を講じる◆ようやくFR車を卒業して初めての冬を迎えても、この運転スタイルは変わらない。気がつくと車間距離を取り、いつもブレーキペダルの上に足がある。路外逸脱の車両を見るたびに、このFR車克服運転こそが冬道に欠かせないのではと思えてくる◆冬道の怖さは、圧雪路面よりも、この時期のブラックアイスバーンである。スタッドレスタイヤになってからは、一層、冬の入り口にこそ危険が潜む。タイヤ交換の備えは大原則だが、気持ちの切り替えも早めがいい。急ブレーキ、急発進は避けたい。冬の事故を避けたければ、ぜひ“こわごわ運転”をおススメしたい。     (本多)