記者コラム

「北から目線」

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 寒さや雪に対して甚だぜい弱な首都圏住民に対して向けられる「北から目線」という、いかにも相手を見下したようなインターネット用語があるそうだ。主に北海道民が“上から目線”な態度で、雪が降れば車はスリップ、歩行者は転倒、交通機関はマヒするなど寒さや雪にすこぶる弱い首都圏住民に対しあざ笑うことを指す◆確かに北海道は道路や鉄道には融雪装置が張り巡らされ、数十センチの積雪があっても交通機関が完全に止まることはまれ。子供のころから雪道の歩き方に慣れているから、転んで大けがをすることも少ない。そんな寒冷地での生活に適応した北海道民からすると、ほんの数センチの積雪で大騒ぎする首都圏の状況はこっけいで「北から目線」を向けずにはいられないのかもしれない◆先週末もドカ雪が首都圏を襲い東京都心では積雪が10センチ以上となり、多くの車が立ち往生したりスリップ事故が発生。鉄道の運休や羽田発着便の欠航も相次いだ。また歩行者の転倒事故により300人近いけが人も出た。一向に改善されない首都圏の雪に対するぜい弱さに、最初は「北から目線」で笑っていたが、いいかげん行政など関係機関の対応の鈍重さにイラ立ちを覚える。(中村)