記者コラム

相撲

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 大相撲大阪場所で初優勝を果たした大関・鶴竜の第71代横綱昇進が決まり、これでモンゴル人3人横綱の時代に突入する。平成15年1月に貴乃花親方が引退してから10年以上、日本人横綱の不在が続いている◆辛口解説で知られる元横綱の北の富士勝昭さんは千秋楽の解説席で優勝した鶴竜の健闘をたたえ、3横綱に対向する日本人力士を出さないと、国技とは名ばかりになってしまうと危機感を表し、日本人力士の不甲斐なさと指導者の責任を痛烈に批判した。モンゴル勢に席巻された横綱の地位を日本人力士が奪還するのはいつの日になるのか◆その横綱を目指し道内各地から大勢のちびっ子力士が集った相撲大会が先日、大空町東藻琴で開催された。弟子屈町出身で昭和の大横綱、大鵬の名を冠にした大鵬杯争奪相撲大会で幼児から一般まで120人が参加した。大会には大鵬夫人の納谷芳子さんらも駆けつけ応援。ちびっ子力士の奮闘に目を細めていた◆日本古来の神事であり、祭りであり、武道でもある相撲の頂点に日本人がいない現在、相撲愛好者の裾野を広げる意味でも同大会は継続してほしい。そしてこの中から、できれば地元から未来の横綱が誕生することを願っている。(中村)