記者コラム

愛林のまち

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 少し前に津別町で、中心街の再生に向けた町職員のアイデアを聞く機会があった。若手・中堅職員のプロジェクトチームが、予算度外視、実現性無視でアイデアを出すのだから、面白くないはずはない。どれも魅力的な提案だが、1つでも実現するといいと思う◆“愛林のまち”らしい林業博物館、自然をそのまま生かす川の水族館、大通りをそのまま「屋根のない美術館」にするなど、夢のある提案だ。もちろん行政職の発想。裏付けを考えれば、困難な壁が多いが、だからこそ実現を目指す価値がある。従来のままで、劇的ににぎわいが取り戻せるとは思えないからだ◆同様に、美幌町の駅前も、アイデアの模索を始める。東京農大の学生の力を借りて、新たな魅力を生み出すヒントを探る。足りないコンテンツは何か、外の目でチェックする。こちらも、アイデアを現実にする地域の意気が最後は大事になるはずだ◆人口減少社会といわれる中で、じっと減るのを待つだけでは政府の推計通りの結果を招く。少しは抵抗して、推計値が外れるぐらいの脱・過疎に挑むのもいいだろう。特に若手の知恵に期待だ。  (本多)