記者コラム

花火大会

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 夏のイベント真っ盛りだが、中でも人気なのが花火大会。夜空に大輪の花を咲かせ、見る人を感動させてくれるが、それも裏方の苦労があればこそだ◆以前、花火大会に花火を卸している会社が尺玉などを保管する煙火庫を見せてもらったことがある。1番大きな尺玉を持ってみるとずしりと重く「今落としたら爆発するかも」という恐怖心が脳裏をよぎり手が震えた。担当者が丁寧に説明してくれたが、持っている間は緊張感でほとんど耳に入らない◆もちろん保管には細心の注意を払い、火気や湿気のシャットアウトはもちろん、運ぶ際も引きずらない。煙火庫の周りはコンクリートの壁で覆われ、万一事故があった際も周囲に飛散しない設備が施されている◆花火大会の依頼は年間10件前後あり、従業員が現地に運び込んで自らの手で打ち上げる。保管、運搬、打ち上げと最後まで気を使う仕事だが、見る人が楽しんでくれたら疲れも忘れるそうだ◆美幌町でも8月9日にびほろ夏まつりが開催され、納涼花火大会では約2千発の花火が打ち上げられる。夜空を彩る1発1発に裏方の苦労があることを思い、感謝を込めて見てほしい。  (中村)