記者コラム

パラサイトシングル

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 社会人になっても自立できず親に甘え、また甘やかされている独身をパラサイトシングルと呼ぶ。昔風に言えば“すねかじり”という意味に近い。親を宿主として寄生(パラサイト)しているように見えることから、1997年に東京学芸大学の山田昌弘教授が使い始めた言葉だ◆金銭を含めた生活を親に依存することで収入の大半を小遣いにあて、豊かな生活を送る独身を指すが、子供への必要以上の干渉もパラサイトシングル化に拍車をかけているのかもしれない◆ある生命保険の研究機関が親と同居中の20~30代の未婚の社会人男女600人を対象に実施したアンケート調査でもその傾向が強いと感じられる。例えば帰宅が遅くなった場合「母親は食事をとらずに待っている」と答えたのは男女とも25%前後、「母親は寝ないで待っている」は男性49%、女性66%、「父親に迎えに来てもらう」は男性14%、女性40%。女性の場合は「夜遅いので心配」が理由だそうだ◆「親が子供の心配をするのは当然」という意見もあるだろうが、本人の将来のためにも“心配”と“甘やかし”は違うということをぜひ考えてみてほしい。
   (中村)