記者コラム

青少年問題

  • 印刷

 いじめ問題やキレる若者、さらには家族の命までをも奪ってしまうなど、青少年を取り巻く環境は昔と比べ大きく変化し、いまや社会問題にまで発展している。青少年問題を専門とするコメンテーターの意見も「学校に原因がある」「親に問題がある」「社会が悪い」などさまざまだが、結局その原因や問題解決の論議はいまだに平行線をたどっている◆以前、テレビ番組にいじめる側、いじめられる側双方の少年、少女が出演する番組を見たことがある。その中で、1人の少女が「気に入らないからいじめた」と、平然とした顔で話していた。自分にとって受け入れられないことをしている、あるいは考えている相手はいじめの対象となるようだ◆その番組では、中学生の息子がいじめを苦に自殺した父親が出演し、再現ビデオを放映した。そのビデオを見ていじめ経験者たちは言葉を失い、中には涙を浮かべる少女もいた。口で諭す何倍もの効果があったようだ◆子供が事故や事件で命を落とした親が講演会を開く話をよく聞く。机上の議論をする前に、被害者の生の声を加害者側にぶつける機会をもっと増やせないものだろうか。   (中村)