記者コラム

ふるさと納税

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 ふるさと納税が、またまた脚光を浴びている。限度額を2倍にしようとの動きがあるからだ。ふるさと納税のお礼にと町の特産品やサービスが過熱気味で、一部ではふるさと納税の趣旨を逸脱していないかとの疑問の声も聞こえるが、国の改正の動きは逆に一層の過熱を呼びそうだ◆ふるさと納税は、居住区以外の自治体に寄付をすると所得税と個人住民税で税額控除が受けられる制度。ふるさと納税をわが町に―とのPR合戦が盛んで、寄付してくれた人にお礼の品を送るのも当たり前になっている。30種類以上から選べるカタログや専用のサイトも出来るなど、まるでネットショッピング気分のふるさと納税だ◆美幌町は、ふるさと納税のお礼として町の農産物を送っているが、これ以上の拡大は念頭にない。美幌町のパンフを同封するのが狙いで「美幌町に関心を持って、将来の移住先候補にでもしてもらえたら」との思いだ◆過熱の一方で懸念されるのが控除される“失う税金”を忘れていないか。ショッピング感覚で税額を失う自治体があっては本末転倒。税収を行政に役立てる自治体の本質が崩れないか、ちょっと心配だ。  (本多)