記者コラム

原発再稼働

 九州電力の川内原発が新しい基準で一番手の再稼働に近づいている。現在、再稼働を申請しているのは14原発の21基。昨年12月の解散総選挙で大きな争点とはならなかった原発問題は、自公与党の圧勝で再稼働に舵を切ることになるのだろうか◆中間子理論構想で日本で第一号のノーベル賞受賞者となった湯川秀樹さん。昭和31年に設立した原子力委員会の委員を務めた。原発建設推進が大勢派だった委員会の中で慎重派だった湯川さんは、正力松太郎委員長に反発、1日で委員を辞めようとしたという。結局1年余りのあと、体調不良を理由に辞職したのだが、何やら現代と共通する話題で興味深い◆原発再稼働の議論は、面白いでは済まされない。政府は、エネルギー施策としての原子力の位置づけをあやふやにせず、国民的議論の中で原発に依存するのか、将来的に脱原発を目指すのかの路線を明確にすべきだ。未だ、郷里に帰ることのできない福島の人たちの思いも含めて、なし崩しの再稼働では大きな被害を受けた教訓すら残らない◆2014年は原発稼働がゼロだった。議論の持ち時間が少ないわけでもないと思うのだが。 (本多)

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