記者コラム

美し村(うましさと)

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 山や川、森林など後世に残すべき自然の保護、過疎化や高齢化対策などは日本全国の多くのまちの課題でもある。かつてそれらの課題に地域を超えて取り組んだ「美し村(うましさと)連邦」なる団体があった◆連邦は村名の頭に「美」の文字がつく全国10の村が、平成元年に全国美しい村サミットを開いたのをきっかけに、同11年に連邦を発足。自然を守る、過疎化から村を守ることをテーマに活動した。また、森林には木という漢字が5つ使われ、総画数が20あることから5月20日を「森林(もり)の日」に制定した。少々強引な気もするが、未来のために自然を守るという強い意志も感じられる◆10村は茨城県や長野県、岐阜県など8県に点在していたが、市町村合併で大半の村がなくなることから同15年に解散した。「美し村」を「うましさと」としゃれた呼び方をつけ、おらが村を守るため活動した連邦がなくなったのは残念だが、住民の思いは代々受け継がれていくと信じたい◆美幌町も頭に美のつくまち。町民が美し町(うましさと)だという意識を持って自然保護、高齢化対策に積極的に取り組んでほしいと願う。   (中村)