記者コラム

TPP大筋合意

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 TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉参加12カ国による大筋合意を受けて、国内農業の聖域は守られたのか、この合意で国内農業はどう影響を受けるのか。政府からの情報に、農業が基幹産業の美幌町も目を離せない。交渉時とは違い、国会承認というタイムリミットが見えるだけに、じっくりと構えることはできない◆美幌町で最も作付けが多い小麦は、国家貿易制度、枠外の関税維持とされるが、輸入枠の拡大と枠内の関税相当のマークアップの削減は、実施関税引き下げではないかと関係者は見る。「聖域」だけではなく、ジャガイモ、玉ネギの関税撤廃は「重要な輪作体系を壊しかねない」と危機感を強める◆糖価調整制度は維持されるものの、関税が無税となる精糖用原料糖の動向が心配。牛肉、豚肉に至っては輸入品との価格競争は避けられない。TPPは美幌農業にどう影響を及ぼすのか◆美幌町農業に魅力が薄れれば、今でも不足する後継者問題も不安だ。離農が増加すれば畑地が守られるのか心配する。町の経済を支えるのも農業所得の割合が大きい。情報収集から次の一手に動く時期も早めたいものだ。     (本多)