記者コラム

食べ物の安全性

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 世界の国々に比べ日本人は食べ物に強く安全性を求める傾向が強い。特に輸入品に対する厳しいチェックは、相手国には「厳しすぎる」、「神経質すぎる」と映るのかもしれない。しかし昔から日本人が好んで食べていたものに関してはちょっと事情が違うようだ◆世界保健機関(WHO)の外部組織である国際がん研究機関(IARC)がこのほど、ハムやソーセージなどの加工肉に発がん性があると認定した。この報道を受けて行われた街頭インタビューでは「今後は控える」という意見は少数で、大半は「今まで通り食べる」。中には「気をつけて食べる」と趣旨を理解していない回答もあったが、おおむね「別に気にしない」という人が多いようだ◆国立がん研究センターは「平均的な摂取の範囲ならば大腸がん発症のリスクはないか、小さい」との見解を発表した。日本人の肉の摂取量が欧米人に比べ少ないのが理由のようで、ひと安心といったところか◆肉加工品は今や、われわれの食生活の中で大きなウエートを占めている。これまで通りの摂取量で問題ないのなら、これからもハムやソーセージをおいしくいただこうと思う。(中村)