記者コラム

北の湖関

 昭和40年代から50年代にかけて第55代横綱として一時代を築いた北の湖関。横綱・輪島との幾多にわたる対戦は輪湖時代とも呼ばれた。「強すぎる横綱」としてこれほど人気と不人気が極端な力士も珍しいのではないだろうか◆スポーツなど勝負事の世界では人気、実力ともトップクラス同士の対決を「夢のカード」と表現する。現役同士であれば対戦も可能だが、片方、あるいは双方とも引退している場合はまさに“夢”あるいは“幻”のカードといえる◆プロ野球でいえば日本ハムの大谷投手対元巨人軍の長嶋茂雄や王貞治、女子バレーなら東京五輪金メダルの東洋の魔女対現役全日本チームなど、ファンならずともワクワクする対戦だ。そして大相撲でも双葉山や大鵬、千代の富士、貴乃花、そして現役の白鵬ら歴代横綱を並べて誰が1番強いのかを相撲ファン同士で語り合うのもおもしろい◆実現不可能な妄想と言われればそれまでだが、先日、北の湖関の当時の映像を見ていて、今彼が現役ならと考えた。モンゴル勢に席巻される今の相撲界に、彼のように「嫌われるほど強い」日本人力士はこれから現れるのだろうか。    (中村)

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