記者コラム

“元”少年団の父母

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 先日、今年最初のスケート記録会を取材した。ソチ五輪代表の藤村祥子さんや、昨シーズンにはW杯代表となった一戸誠太郎さんら、世界で活躍する選手を育てた大正橋のリンクで、次の世代が記録に挑んだ◆少子化も相まって競技スケート人口は決して多くない。大会には少年団を中心とした小中学生が参加。男女一緒にレースをする種目もあったが、記録では自己新のほか大会記録も塗り替えるなど熱いレースが繰り広げられた◆出場する子供たちに比べて、記録係、コース整備などのボランティアは大勢だ。1つの大会に、多くの大人の力が必要だからだ。“元”少年団の父母が、とっくに子供が“卒団”してもお手伝いに駆けつける、そんな環境が大正橋リンクにあるからこそ、小さな町の手造りリンクから世界に飛び出していくのだ◆スケートに限らない。アルペン、クロカン、夏場のスポーツもそうだが、熱心な父母の会や手弁当のコーチ陣が子供たちの活躍を支えている。福祉のボランティアも高齢化や後継者不足といわれるが、スポーツ界も同様。次の世代にどうつなげていくか、簡単な課題ではなさそうだ。     (本多)