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記者コラム

認知症サポーター

 美幌町役場内を歩いていると、職員が名札と一緒にオレンジ色のリングを付けているのを見たことがあるだろうか。認知症サポーター養成講座というものを受講すると、サポーターの証として交付されるものだ。美幌町は町村部でサポーター数が全道3位の町だ◆現在400万人といわれる認知症は、団塊の世代が75歳を迎える2025年には700万人と推計されている。人口減少社会で2025年には日本の人口は1億2千万人を割るという国立社会保障・人口問題研究所の推計でいけば、認知症は今以上に身近な病になる。自分の年齢が認知症予備軍に近づいていくことでも無関心ではいられない◆JR東海が認知症で徘徊し列車にはねられた愛知県の男性の遺族に損害賠償を求めた裁判で、最高裁は家族に責任はないとし、2審判決を一部破棄した。家族の監督責任を問う裁判として注目されたが、すべての認知症の責任問題を判断したわけではなく、今後も同様のトラブルは起こりかねないだろう◆美幌町にはSOSネットなども整備されているが、地域で認知症を見守る環境は足りない。その第一歩がサポーターになるはずだ。 (本多)

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