記者コラム

「エースで4番」

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 野球小僧だった小学生のころ、チームには必ず「エースで4番」がいた。打っても投げても届かない存在は、味方のチームで頼れる存在だった。中学、高校でも主将とは別にそんな存在がいた。プロ野球が 分業制 になって、「エースで4番」は次第に減っていった◆投手は、ピッチングに専念。打撃練習は野手の専門分野に様変わりした。その投手も、終盤でリリーフに任せるのは当たり前。先発完投などというスタイルにはこだわらなくなっている◆北海道の球団で親しまれる日本ハムの大谷投手は、そんな「エースで4番」の名残を思わせる。投手ではすでに球界を代表するエース格。打は、さすがにプロ集団で4番とはならないが、二刀流としてのシーズンを続け、投げて打っての活躍がファンをワクワクさせている◆そんな姿が高校野球に影響を与えているのか、20日から始まった選抜甲子園でエースでクリーンナップを打つ選手が目立っている。まさにチームのけん引役として頼もしい。野球小僧だったころの「エースで4番」を見ているようで楽しい。札幌第一は1回戦で敗退したが、 勝負の夏 に期待したい。     (本多)