記者コラム

2016.04.21 熊本地震

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 テレビニュースから流れる信号音と地震速報のテロップ。この1週間、地震情報から目が離せない。震度6の文字が何度も速報で流れるのに驚く。阪神淡路大震災より前は、震度6や7の想定は、自治体の防災計画でも見られなかった規模である◆14日に発生した「熊本地震」。大分も含めて余震が500回を超える。建物倒壊の危険から屋外で避難生活をする人が多く、エコノミー症候群で命を落とす人まで出てきた。避難生活を余儀なくされる人たちが今、最も不安を抱えるのは、いつ余震が収まるのかだ◆以前、函館に住んでいたころに経験のない直下型地震に恐怖を感じた。ドーンという音とともに揺れが来る。震度自体は大きくなくても、その音が今でも耳に残っている◆飛行機や新幹線が動き出し、水道や電気も再開、スーパーも再開して一見復旧が進んでいるようにも思える地震。被災者はどこに帰るのか、生活は戻るのか、見えない明日に心のストレスもピークだ◆東日本大震災から5年、傷の癒えない東北地方。政府は災害復旧対策をもっと加速しなければ、どちらの被災者の不安も拭えない。(本多)