記者コラム

2016.07.05 EU離脱

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 元NHK記者でジャーナリストの池上彰さんの講演で以前、いろいろな世界地図の話を聞いた。海外に行くたびに趣味の地図集めをする池上さんのコレクションの中に、英国が中央にある地図があった。世界地図といえば、日本が真ん中だと思っていたのだが、「極東」と呼ばれる意味を教わった◆その地図では、日本は最も東側にあった。まさに日本は東アジアであり、産油国は中央アジアだった。小学生の時によく眺めた地図との違いに戸惑った。グリニッジ天文台(英国)を通る経度0を中心にするのがヨーロッパでは主流だという◆その英国が今、世界を揺るがしている。国民投票で決まったEU(欧州連合)からの脱退である。世界の株価に影響を及ぼし、先行き経済を懸念する声が強い。日本も円高傾向に傾き、デフレ脱却のシナリオに修正が余儀なくされそうだ◆英国では、うその情報で投票させられたと、離脱に一票を投じた国民たちから再投票の声が挙がる。独立運動も再燃している。国民投票の難しさを世界に投げかけている。他国の反EU派への影響も含めて英国騒動の情報から目が離せない。(本多)