記者コラム

2016.08.30 夏の台風

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 台風が相次いで道東地方を襲っている。強風被害に水害、災害の少ない地域と思っていた美幌町だが、今年は晴れ間のない夏の終わりになった。台風シーズンが北海道でも前倒し気味で、秋の季語の台風も変わってきた◆雨台風では、農業被害が激しい。冠水した畑はもちろん、収穫間際の玉ネギやバレイショの腐れは深刻。雨が続いて機械が入れず、手をつけられない。もう少し先になって、被害が膨らむことだろう。美幌町の経済を支える農業だけに、台風憎しだ◆町の職員も夜通しの警戒や、避難所の世話などに忙しかった。冠水場所に車を入れないため、通行規制で立っていた職員には、通りがかった美幌高校の生徒が缶コーヒーを差し入れた。思わぬ労いが職員を喜ばせた◆美幌町は、避難所開設マニュアルや職員の行動マニュアルを新設して迎えた台風だった。その評価は別として、災害にはマニュアルに載らない事案も多い。どれだけ現場で、指揮所で変化に対応できるのかも、ぜひ検証してほしいと思う◆昨年の台風の発生が27号、10年間の平均でも23号だから、災害の備えはこれからが本番といえそうだ。(本多)