第二回定例道議会報告
2004.6.25
道議会民主党・道民連合議員会

 第2回定例道議会は、6月8日(火)に招集され、16年度補正予算案などを可決し、6月25日(金)に閉会した。
 わが会派は、代表格質問に林大記(札幌市南区)氏を立て、道財政再建、道州制を中心とする地方分権、道警不正会計処理について質疑した。
 また、一般質問には池田隆一(小樽市)、福原賢孝(檜山支庁)、保村啓二(網走支庁)、岡田俊之(渡島支庁)、斉藤博(函館市)、沢岡信広(北広島市)の6氏が立ち、当面する道政課題、地域課題について、道の取り組みを質した。



定例会の焦点について
採択された意見書
一般質問の要旨
委員会における主な質疑旨
当面する課題と会派の対応


定例会の焦点について

 道財政の再建や、道州制という、北海道の現在、そして将来に関わる重要問題について、道が、道民や市町村との協議を避け、検討経過の説明責任すら果たさないという姿勢が、浮き彫りになった定例会だった。
 病気療養のため、新年度予算案を審議する第1回定例会を欠席した、高橋知事の、復帰議会になった。
 会派は、当面の重要課題である、財政(国の地方税財政改革、道の財政立て直しプラン)、道州制、道警不正会計処理を、焦点に、本会議、予算委員会、各常任・特別委員会で、論戦を展開したが、就任1年を経過した高橋道政が、地方分権の姿とは、ほど遠い、中央への依存姿勢を鮮明にし、具体的な課題への対処は、無力・無責任であることが、より鮮明になった。
 何が何でも8月に、成案にすると道が主張し、作業に当たる財政立て直しプランでは、収支見通しも、歳入確保も、歳出削減も、あやふやなままで、医療費助成制度の切り捨てなど、道民や市町村への痛み・負担の転嫁だけが先行。
 道民との協議も説明も、まったくないまま進む、道州制では、国に振り回されるばかりで、理念も、具体的手順も示せないと言う、深刻な事態にあることが、明らかになった。
 また、道警不正会計処理問題では、「最小限、早期」の、“逃げ切り”を図る道警の不誠実な姿勢が、明らかになるとともに、知事も、事態解明による抜本的な信頼回復に、消極的な姿勢に終始した。
なお、可決された16年度補正予算は、一般会計187億1300万円。道州制北海道モデル事業費、障害者対象の公共職業訓練費などが内容。これで、16年度予算規模は、一般会計2兆8157億3300万円、特別会計2550億4300万円の合計3兆707億7600万円となった。
up

採択された意見書
は政審発議、は委員会発議、は自民・民主・フロンティア共同提案)
将来にわたり安心で信頼できる公的年金制度の確立を求める意見書
新たな「食料・農業・農村基本計画」の策定及びWTO農業交渉に関する意見書
道路整備に関する意見書
介護保険制度と介護予防対策の充実を求める意見書
緊急地域雇用創出特別交付金制度の継続・改善を求める意見書
義務教育費国庫負担制度に関する意見書
なお、民主・道民連合は、「北海道警察の不正会計処理問題調査特別委員会設置に関する決議」、「障害者等医療費助成制度に関する決議」「自衛隊のイラクからの撤退と多国籍軍の参加に反対する意見書」を提案したが否決された。

up


.一般質問の要旨
は質問者発言、は答弁者発言)
林 大記(札幌市南区)
(1) 財政立て直しプランについて
8月を目途に策定作業が進む財政立て直しプランだが、策定前最後の今定例会に提示されているのは、素案の修正。道政上の最重要課題であるのに、不誠実だ。
2定での議論を踏まえた対応とするため、案ではなく、素案の修正版を提示した。 議会終了後、案を策定、その後、成案として決定する。
「道財政の展望」等では、中長期見通しを試算してきた。なぜ、プランでは、試算しないのか。
税収や地方交付税は今後の動向が不透明であり、伸び率をゼロと仮定し、試算した。
収支見通しは、平成26年度に収支均衡をおいた上での、つじつま合わせだ。
集中対策期間の歳出削減・歳入確保、これによる公債費償還減や人件費減等の副次的効果、構造改革期間における更なる行財政構造の抜本的な改革によって、26年度には、収支均衡が図れる。
会派として市町村・団体アンケートを実施したが、7割が道から説明を受けていないとの回答。道民や市町村への説明責任、合意形成手続きが欠落している。
節目節目で説明、理解が得られるよう努力してきた。プラン素案は、各支庁で各市町村に説明会を開催した。今後も説明や情報提供に努める。
会派アンケートでは、医療や福祉など道民の生命や暮らしに関わる部分に慎重さを求める意見が多く寄せられた。「市町村と合意済み」とする道との落差はなぜか。
13年度から検討を重ね、市長会、町村会を通じ、基本的に了解が得られている。
医療費助成制度は、小手先対応でなく、改定を見送るべき。乳幼児医療給付や母子家庭等医療給付は、財政再建の観点から切り離し、少子化対策等の観点で充実せよ。
道単独医療給付事業は、将来に亘る安定的運営のため見直した。乳幼児医療等の範囲を少子化対策の観点から拡大を図った。
道の制度改正に従うか、独自に持ち出しで継続するか、自治体は苦しんでいる。格差が出れば、通院・入院を理由とする人口移動に拍車がかかると懸念する。
ほとんどの市町村が道の基準に沿って見直すと承知。懸念は当たらない。
“選択と集中”による施策の重点化と財源の重点配分に具体性がない。
雇用創出プラン、産業活性化プラン、農業農村ビジョン等の推進を明示している。
道民に向け、全国に向けての発信として、農業での直接支払い政策に先行して取り組むべきだ。
国の直接支払制度創設実現に向け努力する。
(2) 国の地方税財政改革について
国費予算要望での、道州制等の地方分権や地方税財政改革との整合性をどうする。
選択と集中の観点で一層の重点化を図り、地方財政自立につながる三位一体改革推進、道州制先行実施に向けた規制緩和や権限・財源移譲等を要望・提言する。
経済財政諮問会議が地方側に求めた3兆円税源移譲方針取りまとめへの対応は。
地方の自由度や裁量を高める観点から進められるべきで、政策裁量性が高い奨励的補助金等を優先的に廃止すべきと基本的に考える。
道内市町村の総意取りまとめ作業に、どう取り組む。
市長会、町村会とも連携しながら、国に働きかける。
(3) 道州制について
経済財政諮問会議への正式提案が、当初予定より1ヶ月遅れたのはなぜか。
正式提案から諮問会議での説明まで1ヶ月程度の期間が生じた理由は承知しない。
道の発想、取り組みには「地域内分権」「道内分権」の発想が欠けている。だから、提案に具体性がない。道内論議を再構築せよ。
市町村等を対象の説明会を6圏域で開き、道州制セミナーを6カ所で開く予定。
経済財政諮問会議で、再提案を求められた、道内分権は、道が事実上、放置してきたもの。再提案に向けてどうするのか。
年度内を目途に新たな事務事業等の移譲方針を策定したい。再提案に向けては、基本的な考え方やプロセスの原案を取りまとめたい。
国の支分局一元化に関する再提案はどうする。
竹中大臣の発言を受けて、道州政府が担うべき具体的機能等について検討中。内閣府と相談し、より具体的な案を提出したい。
知事は記者会見で、再提案で、統合後の開発局の職員削減数の明記を検討する旨発言した。意図は何か。統合後とは、いつのことか。
出先機関の職員の人数にまで立ち入る検討は、限られた時間では難しいが、国からさらに求められれば、努力しなければならないとの趣旨。内閣府とさらに調整する。
(4) 道州制モデル事業について
道州制モデル事業の制約を突破するための取り組みを、どう行ない、それがなぜ受け入れられなかったのかを明らかにせよ。
対象事業拡大や補助基準弾力化等を働きかけたが、創設されたばかりの制度であり、本年度事業執行にも時間的な制約があり、現時点では実現が困難と判断した。
提案された事業の何をもって、道州制のシンボリックと言え、どこに地域の自主性・裁量性が発揮されたと言えるのか。
自主性・裁量性が発揮できる環境、観光、防災の3テーマを設定。事業別シェアにとらわれず、広域連携の効果や緊急性の高い事業を選定した。
ハード事業のみの制約を取り払い、一括交付金化を目指しながらの事業費拡大等の改善に取り組むべき。
事業効果の発現のため、既存ソフト事業活用、対象事業拡大、補助基準弾力化を、引き続き、国に働きかける。
(5) 市町村合併について
道内での市町村合併の現状認識、見通しは。
合併は、市町村が自主的に判断すべきもので、道として、はっきりした見通しを言うのは難しい。
「北海道・自治のかたち円卓会議」を設けて検討してきた、合併しない・合併できない自治体への対処、広域行政の推進は、どうする。
「北海道・自治のかたち円卓会議」を設けて検討してきた、合併しない・合併できない自治体への対処、広域行政の推進は、どうする。
(6) 米海兵隊の移転訓練について
矢臼別での訓練は、道や地元申し入れを無視し、夜間訓練が毎回行われるなどの実態。在日米軍見直しも進まない。道として訓練受け入れを拒否する段階ではないか。
機会あるごとに申し入れてきた。今後も誠意ある国の対応を求め続ける。
海兵隊の矢臼別移転が報道された。弱腰の道の姿勢につけ込まれたものだ。
札幌防衛施設局を通じての照会で、米国から提案された事実はないと回答があった。
(7) 道警不正会計処理問題について
不正疑惑解明に向けて公安委員会は、どう対応しているのか。
道警は、特別調査を実施しており、この調査が厳正・公正に行われ、その結果を道民に分かり易く、納得される形で公表すべく最大限の努力をしていると承知。道民を代表し、警察を管理する公安委員会として、道警の今後の調査、監査の対応にあり方に関して、実体解明が図られ道民が納得できる結論を得ることが出来るよう一層的確な指導、監督を行う。
監査委員に対して、道警本部長が代表監査委員に直接電話。監査への干渉とも取れる行動について、公安委員長の認識は。
道警本部長から、「守秘義務を守るよう職員指導をお願いしたもので、監査への干渉・抗議ではない」と報告を受け、委員会として了承した。道の監査には、可能な限り協力するよう指導している。
監査委員から勧告を受けた弟子屈署12年度捜査用報償費の返還金算定は一方的で粗雑。今後の先例になる。すべて返還対象にすべきだ。道警本部長の見解は。
算定については、監査結果の判断を基準に、使途・金額を点検、本来捜査用報償費として執行可能なもの、他の予算科目であれば執行可能なものを返還対象外とした。
弟子屈署返還額についての、知事の見解は。
返還額や返還方法等は、問題全体の事実解明を受け判断されるべきであり、特別監査の結果を待たなければならないと考える。
1定以降の、道警内部調査報告、監査報告には、解明不足、矛盾点が多数、指摘されている。知事は、どう評価しているか。
内容等に様々な指摘があることは承知しているが、問題全体の事実解明は、まだ途上にあると考えており、道警調査の最終報告や、特別監査の結果を見て判断したい。
これまで報告のあった不正会計について、疑問点、解明不十分の指摘があるが、再調査、補強調査等への道警本部長の認識、姿勢は。
弟子屈署、旭川中央署については、今後、具体的資料が提供されるなど、新たな状況に至った場合には、必要な調査を行う。北見方面本部警備課については、調査がまとまり次第、速やかに報告する。
公安委員会の監察指示による特別調査結果に関し15年度分は「概ね適正に執行」と報告されたが、手法は従来の内部監査の域を出ていない。10−14年度分の調査では、手法、内容を改め、客観性、信憑性を高めるべきだ。道警本部長の見解は。
調査年度を遡ることで、関係者の記憶が薄れる等、調査が困難になるが、関係者の備忘録、メモ提出等の協力を得て、一層具体的、詳細に調査したい。

<再質問>
(1) 道財政について
策定時期先送りの「2定議論を踏まえる」は詭弁。突如、変更は不信を増幅させる。
議会で十分議論をいただくことを考え、議会終了後、プラン案を示すことにした。
今後の道が定める、プラン、計画、ビジョン、方針等々についても、こうした対応方針で臨むのか。
議会での議論や道民意見を踏まえ、適切に対応する。
収支推計が「困難」と「できない」は別問題。プラン期間を10年間にしたのは、なぜか。
期間を短くすれば、解消すべき収支不足額が増加し急激な影響が懸念される。10年としたのは、「道長期総合計画」や「道財政の展望」等、中長期的な視点で取り組む計画を参考にした。
プラン策定に当たって、市町村説明会を開いたというが、意見・要望を、プラン策定にどう反映させたのか。
既にプラン素案に盛りこんでいるが、今後、十分勘案しながら、策定する。
道政執行の基本たる市町村との協働については、通り一遍の一般論を聞いているわけではない。合意形成を、どう進めるのか。
市町村には、今後とも説明を行い、理解と協力が得られるよう努める。施策見直しの情報は、出来るだけ早く提供し、市町村の行政推進に支障が生じないよう努める。
医療費助成制度見直しについて、検討会などで市町村から、どういう意見があり、どのように了解が得られたと考えているのか。
検討会などでの意見を踏まえながら、具体案の検討を進め、市町村からの意見を反映した最終見直し案を取りまとめ、市長会、町村会を通じて市町村の理解を求め、それぞれの団体における手続きを経て、基本的に了解が得られたものと承知する。
特定疾患医療費については、財政再建の議論から切り離すべきだ。
財政立て直しプランでは、国の制度を上回るものなどは見直す方針で、特定疾患医療費も対象としているが、今後、関係団体から十分意見を聞きながら検討する。
全国知事会の国庫補助負担金見直しへの意見取りまとめに、道州制の先行実験地として提案する具体的項目は。それは本道の自立化、経済活性化にどうつながるのか。
具体的項目取りまとめにあたっては、政策裁量性が高い奨励的補助金等を優先的に廃止すべきとの基本的考えを伝える。こうした補助金廃止と税源移譲が進むことで、本道の特性や施策の展開が図られる。
(2) 地方分権問題について
道州制についての道の提案の目玉は、法令面での地域主権の推進、いわゆる「上書き権」だったはずだが、これに関する具体の提示はどうする。
医師標準数の算定基準設定権限移譲や、地域実情に即した介護サービス指定基準等への規制緩和等を道州制推進プランに盛りこみ提案した。国と連携、早急に実現するよう取り組む。
財政立て直しプラン素案では、公共事業量確保のために、補助事業から直轄事業への転換を言っている。一方、開発局は、職員のほとんどが、事業費に人件費が含まれる「工事諸費支弁職員」で、職員削減は事業量削減ということ。矛盾している。
影響を最小限に抑えつつ、道財政立て直しのために、補助事業を直轄事業に移行し、事業量を確保することをプランに掲げた。一方、国の支分局のあり方は、プランの事業量確保とは別の観点から、組織スリム化や事務効率化等が議論されるべき。
道州制モデル事業の課題の解決は、現行システムの枠外に新たな制度を設けねば出来ないのではないか。
様々な機会を通じ、粘り強く国に働きかけたいと考える。
市町村合併時に、市への移行要件を備えた合併自治体が町に止まる決断をした場合に、事務事業の移譲が行われない事態が起きうる。道内分権と、どう整合性を持たせるのか。
市か町かの選択は、地域の判断。しかし、分権型社会における市町村は、住民に最も身近な自治体として、総合的な行政サービスを求められている。道州制を見据え、大幅な権限等の移譲を進める検討を行う。
「自治のかたち円卓会議」は、今後どうするのか。
道州制を見据えた権限等の移譲や、支庁制度のあり方の検討を進めるに当たり、市町村長と率直に意見交換する場として積極的に活用する。
(3) 米海兵隊の移転訓練について
答弁は不誠実。基地移転受け入れの余地がないことを明確に表明すべき。
仮に、そうしたことがあれば、内容を良く確認する必要はあるが、経緯を踏まえると、現時点では、受け入れがたいと言わざるを得ないと考える。
(4) 道警不正会計処理問題について
公安委員長は「道民が納得できる結論を得るよう指導・監督」と決意を示した。道警本部長は、これにどう応えていくのか。
委員長答弁趣旨を踏まえ、特別調査は厳正・公正に事実関係を明らかにし、結果等は速やかに道民、道議会に説明する。監査への対応は、法定の警察責務遂行に著しい支障を生じない範囲で、可能な限り協力する。
疑惑隠しとも取られる、会計文書の大量廃棄、あるいは未作成が発覚した。特別監査実施に向けて、代表監査委員の所見を伺う。
監査に支障も生じる。事実確認に際しては、当時の関係者への事情聴取で、書類の亡失等に関する経緯や予算執行内容、会計処理実態の把握に努める必要がある。
弟子屈署の返還に関して、道警と知事の認識には差がある。道警と協議して一括確定すべきではないか。知事の見解は
問題全体の返還額や返還方法等は、弟子屈署も含め、特別監査の結果を受け対応したい。
公費、公費以外の返還経費のあり方等に関して、代表監査委員の見解は。
弟子屈署での捜査用報償費の執行で、違法または不当な公金支出があったと認められるものの、実際の使途には、捜査協力者との接触費等、本来捜査用報償費として執行可能なもの、他の予算科目であれば公費支出可能と認められるものは、警察業務に必要な経費と考えられ、北海道に損害を与えたとは言えないと判断した。
道警の内部調査が手抜き調査では、道民は納得しない。旭川中央署や弟子屈署の事例を踏まえ、今後の内部調査への道警本部長の見解を伺う。
両署の不適正な予算執行を極めて重く受けとめている。こうした観点を踏まえて、10−14年度分の特別調査、これらとの関連を視野に15年度分も必要な調査を行う。6月8日の警察署長会議で、特別調査が円滑・的確に実施されるよう特段の配意を強く指示した。

<再々質問>
(1) 道財政について
道政上の重要課題で、中長期にわたって、政策・事業の枠組みを規定するプラン案が、正規案としての提案、説明もなく、本会議での十分な議論もなしに決定される。議会は、いったい、どこでプラン案を議論するのか。
議会において、さらに十分な議論をしてもらい、成案までの間にそれを踏まえた対応が可能になるよう工夫を講じた。
国の制度を上回る政策見直しを進めながら、他方で、国に「上書き権」を求めるのは、明らかに矛盾した対応。また、プランに盛られた事項について、一定の配慮がされるような答弁もあるが、どういう基準で線引きするのか。
プランでは、収支不足解消のため、国や他団体の水準を上回る道単独施策に着目、見直すもの。道州制では、法令面での裁量拡大での地域主権推進を図るもの。双方が整合性を欠いているとは、考えていない。また、施策見直しは、影響を考慮しながら、議会議論や市町村、関係団体の意見を踏まえて、進める。
(2) 米海兵隊の移転について
別海町長が、移転訓練の矢臼別での統合構想を防衛庁から伝えられたと報じられているが。
報道内容について、国と別海町に照会中。事実関係が明らかになった段階で、必要な対応を考える。


池田 隆一(小樽市)
(1) 公立高等学校適正配置計画の見通しについて
適正配置計画案を例年より3ヶ月早めた理由は。具体的な校名が明らかにされず、学級減のみの「見通し」しか示されなかったのは、なぜか。
通学区域改正後、初の計画案策定であり、例年より早い時期に公表すべく作業を進めてきた。生徒や保護者の関心が高い適正配置計画の全体像を「見通し」として示し、計画案は、今定例会中のできるだけ早い時期に策定したい。
通学区域拡大で、受験競争が強まると予想されるのに、配置計画には、こうした状況変化が考慮されていないのではないか。学区拡大による様々な懸念を、どう検討したのか。
旧学区における生徒の進路動向、通学区域改正の趣旨である生徒の進路希望に応じた学校選択の幅の確保等を勘案しながら、全体的に余裕のある定員調整となるよう配慮した。
(2) 義務教育費国庫負担制度について
教職員の退職金・児童手当分の一般財源化、教職員給与への「総額裁量制」の導入について、知事、教育長それぞれの見解は。
(知事)本来、義務教育費国庫負担制度は、一体のものとして論議されることが望ましい。総額裁量性は、地方の自由度が高まる一方で、国の関与が残されるなどの課題があると認識している。
(教育長)総額裁量性は、制度の根幹を維持しつつ、地方の自由度を高める観点から導入されたと受けとめている。退職金・児童手当については、制度見直しの中で一体的に検討を要望してきたが、国庫負担対象外とされ、見合う財源を国が措置している。
国庫負担制度は、過去に一般財源化され、戻った経過があるが、歴史的事実と現行制度の意義を、知事、教育長は、それぞれどうとらえているのか。
(知事)地方財政の状況から地域間格差が生じたことなどから、教育の機会均等と教育水準の維持向上確保を図るため、国庫負担制度に戻す経過をたどったと考えており、経過を踏まえ、制度のあり方を検討すべき。しかし、地方分権の流れの中で、地域の独自性をより発揮できるよう、将来的には一般財源化を目指すべき。
(教育長)国庫負担制度は、国の責務において教育の機会均等と水準維持向上に大変重要な役割を果たしていると認識、見直しは教育の充実と円滑推進に重大な影響を及ぼすことのないよう、制度の趣旨を尊重、検討されるべき。
5月22日に教育関係者が一堂に会し国庫負担制度堅持を求める大規模集会が開かれたが、こうした切実な声をどうとらえているか。
(知事)国の三位一体改革の進め方に対する危機感の表れではないかと受けとめている。
(教育長)見直しに対する危機感の表れと受けとめている。教育機会均等と教育水準維持向上が確保されるよう関係機関とも連携を図りながら国に要望する。
全国知事会の意見取りまとめに向け、国庫負担制度について、知事はどう対応するのか。
国庫補助負担金の見直しは、地方の自由度や裁量を高める観点から進められるべき。政策裁量性が高い奨励的補助金等を優先的に廃止すべきとの考えで臨んでいく。

<再質問>
(1) 義務教育費国庫負担制度について
全国知事会への提案で、道は義務教育費を含めるのか。
奨励的な補助金を優先することを基本として、幅広い角度から早急に検討する。


福原 賢孝(檜山支庁)
(1) NPOに対する道の支援等について
福祉、環境等の分野でのNPOへの業務委託は、雇用対策の面からも有効。道は、昨年11月に「NPOへの業務委託推進方針」を策定したが、取り組みは。
道からNPOへの業務委託は、13年度9件3900万円、14年度24件1億2200万円、15年度24件1億9700万円と推移。推進方針に沿って、積極的に取り組んでいく。
認定NPO法人が増えるよう、国に税制上の支援措置を働きかけていくべきだ。
15年度の税制改革で、認定要件が、総収入額に占める寄付金額の割合が3分の1以上から5分の1以上に改められるなど一定の緩和が図られたが、今後、さらなる要件緩和を積極的に要請していく。
道とNPOの協働を、どう進める。
昨年3月、北海道協働推進基本指針を策定し、行政や企業、NPO等の話し合いの場として、地域活性化プラットフォームの形成を位置づけた。こうした場を活用し様々な課題解決に努めたい。
(2) 経済雇用対策について
海洋深層水の有効活用のため、加工食品分野での商品開発から販売までを、道が支援すべきだ。
食品加工研究センター等での試験研究、新製品開発助成、商品の「どさんこプラザ」での展示即売などで支援。さらに、今年度は、専門家のアドバイスを受け、商品開発から販路拡大までをサポートする「道産加工食品販路拡大支援事業」を実施する。
建設業のソフトランディングのため、企業は懸命に努力している。ノウハウや資金面等での地域バージョン的な応援をすべき。
今年度から、ソフトランディング対策における地域での取り組み強化のため、地域施策促進事業を各支庁で実施する。
(3) 少子化対策について
道民意識・ニーズ調査でも、少子化傾向を反映する結果が出ている。この結果を、策定準備中の「子ども未来づくり条例」に、どう活かすか。
調査結果から、道民意識の面からも少子化傾向が表れている。調査結果を十分踏まえて、条例の内容を検討する。
仕事と家庭の両立を支援できる取り組みが遅れている。ギャップを埋める道の役割を、どうとらえているか。
育児休業制度等の普及啓発、育児休業支援や子育て支援のためのファミリーサポートセンター設置促進等に取り組んでいる。
条例制定に、住民参加の仕組みは、組み込まれているのか。
検討段階では、パブリックコメントや、道内6カ所で道民公聴会を実施。条例の中に、公募委員を含めた審議会の設置等を検討する。
条例制定に向けた知事の決意は。
子どもは「みんなの宝」であり、人間性や創造性を育みながら、健やかに成長してほしい。子どもたちの未来に夢や希望がもてる活力ある北海道を実現するために、全国ではじめての、この条例を制定したい。
(4) 地方分権について
知事は、市町村合併の是非を、住民が判断出来るように、各地域の将来像を具体的に提示し、住民が地域の未来を選択できる情報を積極的に提供すべきだ。
協議を進めるための具体的課題について、市町村と一体になって解決に取り組むなど、地域の合併への取組が円滑に進むよう必要な役割を積極的に果たしていく。
道州制、支庁制度、市町村合併を一体的に推進すべきだ。
目標時期や課題を解決していくための手順に違いはあるが、一体的、総合的な考えに立って推進していきたい。
道州制特区は、国のペースに乗らずにじっくり議論を深め、拙速を避け、時間をかけて取り組むべきだ。
道州制特区を推進、その成果によって、道民、国民の理解が深まり、道州制の実現に結びつくよう、努めていく。
道州制モデル事業は、道民の生活に密着した事業や雇用に結びつくよう国と協議すべき。
事業効果を最大限に発現させるには、テーマに沿った事業を円滑に展開するためのソフト事業等、対象事業の拡大を国に働きかけたい。
道州制への道民の関心は高くない。望ましい道州制の姿を積極的に発信すべき。
市町村等説明会、道州制セミナー等の取り組みを通じ、積極的に道民への発信に努めたい。


保村 啓二(網走支庁)
(1) 食料・農業・農村基本計画の改正について
民主党北海道として、農業の直接支払い政策を提言したが、知事の見解は。
今後の、農業・農村政策のあり方を検討する上で、有用な提言と受けとめている。
食料・農業・農村基本計画見直しに当たって、道として大胆な提言をすべきだ。
道として、専業的な農家が意欲を持って営農に取り組める品目横断的な経営安定政策への転換、環境保全型農業や地域資源の保全活動に対する直接支払制度創設等の提案をまとめた。その実現に努力する。
(2) 中山間地域等直接支払制度について
制度存続・充実に向け、道として、どう取り組むのか。
本道の実情に即した制度として継続するよう、国に働きかけていく。
(3) 間伐材の利用促進について
間伐材の利用拡大への道の取り組みは。
農業基盤整備や河川等における土木工事分野、学校等の公共建築分野を重点に、間伐材の利用拡大に取り組んできた。さらに、より付加価値の高い住宅分野や、木質バイオエネルギー、コピー用紙としての利用等を支援している。
消費者が日常的に、ふれることができるような場所での利用拡大を進めるべき。
今年度から、木材業界などと連携、家庭や学校で使用する間伐材製品開発や、個人住宅での利用促進に取り組むことにしている。他県の木製ガードレール等の事例も参考にしながら、道民が日常的にふれあえる間伐材製品の利用促進に取り組む。
(4) 教育の地方分権について
国の教育政策は、学力中心主義、偏差値教育に偏り、地域や子ども達の実態を軽視し、地域や家庭の教育力の低下を招いていると考えるが、知事は、国の教育政策について、どういう問題や課題があると考えているか。
家庭や地域社会の教育力、青少年の社会性や道徳心、過度の知識の詰め込みや学ぶ意欲等で、様々な課題がある。このため、「北海道新生プラン」で、倫理・道徳教育の推進や、家庭教育に関する学習機会提供、地域ぐるみでの教育体制の充実等の取り組みを進めることにしている。
教育に必要なのは、知識教育だけでなく、広い意味での人づくりの教育、確かな学力と豊かな心を、しっかり身につけさせることが重要と考えるが、教育長の所見は。
子どもたちが、どのように社会が変化しても生き抜いていける力の育成が何より重要。この認識のもと、確かな学力や豊かな心の育成を重点に取り組んでいる。
行き届いた教育の保障のための学級定員引き下げが不可欠。道教委の対応は。
小学校1年生で、今年度から35人以下の少人数学級を全道114校で本格導入した。対象学年拡大については、義務教育費国庫負担制度のあり方に関わる議論や、第7次教職員定数改善計画の取扱いを十分見極め、対応していく。
北海道独自の教育改革のシステム構築を急ぐべきだ。教育の地方分権、教育の道州制を進めるに当たっての、教育長の所見は。
道州制特区に関し、幼稚園・保育所の一体的運営に向けた基準緩和等を提案した。今後も道州制実施に向けた取り組み等を通じ、地方分権時代にふさわしい本道教育について検討していきたい。

<再質問>
(1) 食料・農業・農村基本計画の改正について
国への提案は、一般論ではなく、農業政策の大きな転換に向けた新たな基本的な理念確立のための具体的な提示を行うべきだ。
本道の農業・農村が持続的に発展、食料自給率向上や多面的機能発揮の役割を一層担っていく視点に立ち、効果的・重点的施策が展開されるよう提案をまとめた。
現行の国の農業政策は、消費者重視の農政、市場性重視の農政。知事は、農業の現状をどう認識しているか。
担い手減少や高齢化進行、国際化進展といった課題を抱えている。消費者と生産者との信頼関係を基本とした「食」の構築や、「環境」との調和を重視し、取り組みを支える「人」や、個性を生かした「地域」づくりに積極的に取り組むことが重要。
今後も、規模と効率優先の農業政策を続けるのか。基本計画見直しに向けた決意と見解をあらためて伺う。
食料の安定供給はもとより、国土保全等の多面的機能発揮といった農業に対する多様な期待に応えることが重要。専業的農家に対する品目横断的な政策への転換に加え、地域における農地等の資源保全のための取り組みに対する直接支払い創設等を国に提案しており、次期計画への反映に努力する。


岡田 俊之(渡島支庁)
(1) 重度心身障害者等医療対策について
道医療給付事業見直しについて、多くの患者や関係団体の思いや要請を知事は、どう受けとめているのか。
厳しい財政状況のもと、北海道が潜在力を発揮し、安定的な将来を築くために、道民にも一定の負担や痛みを求めることに、苦渋の決断をした。
最低限、所得段階に応じた激変緩和等の措置が講じられるべきではないのか。
3歳未満児と低所得者は現行据え置き、1割の自己負担を求める場合も、月額上限額を設け、負担が過重にならないよう最大限配慮した。
特定疾患医療費見直しには、治療の実態や対象者の生活の状況等を的確に把握しなければならないと考えるが。
具体的見直しに当たっては、患者団体などから、様々な点について意見を十分に聞き、検討を進めたい。
道医療給付事業の対象になっていない精神障害者も対象として支援すべきだ。
検討は行っているが、事業主体である市町村との共通理解が得られなかったことや、国の精神保健福祉施策との整合性から今回の見直しでは対応できなかった。重要と考えており、将来的な検討課題。
地方病院の産婦人科医、小児科医の不足への対応は。医師確保への道の取り組みは。
三医育大学と意見交換、派遣要請を行ってきている。産婦人科医の地域中核病院への医師集約の動きについては関係者間の調整に努めている。今年度、「北海道医療対策協議会」を設置、5月に、新たな派遣システムについて提案したが、この協議会で積極的役割を果たしたい。
(2) 市町村合併問題について
市町村立病院は、市町村合併の場合に、あらためての開設許可が必要になる。しかし、医師標準数を満たしていない病院も少なくなく、合併の阻害要因にもなっている。対応は。
国との協議の結果、国からは地方分権一括法の施行により、病院開設許可事務が自治事務に移行したこともあり、道として柔軟に対応されたいとの判断が示された。市町村合併においても、現状通り病院が継続できるよう、市町村に通知する。
(3) 障害者に対する学習機会の提供について
国立病院機構・八雲病院は、筋ジストロフィー症と重度心身障害児の入院施設。筋ジストロフィー症の入院者が、併設の八雲養護学校高等部を卒業後も、同校を活用して、学習の機会を実現できないか。
高等部卒業者の大半は、同病院に入院し治療や訓練を受けている。学校行事への参加呼びかけ、図書の貸し出し、体育館開放、ワープロ検定の支援、絵画指導等を行っており、今後も病院等と連携しながら、一層の支援に努めたい。


斉藤  博(函館市)
(1) 経済・雇用対策について
北海道は、全国的な回復基調に乗り遅れ、雇用も引き続き厳しい。経済再生策、産業活性化策をどう推進する。
産業活性化プログラムに基づく既存産業の競争力強化や新事業・新産業の創出、雇用創出プランに基づく地域雇用創出や若年者就職促進等に取り組む。
産業活性化プランでの7つの戦略分野は、景気低迷の中に埋没していないか。
「選択と集中」の視点で、限られた財源を、挑戦する中小企業に集中的に投入し、国施策との効果的な連携や、企業等との結びつきを強めながら、プログラムの着実な推進に努める。
財政立て直しプランの歳出削減が道内経済に与える影響の分析は。
産業連関表を用いての試算で、生産額で約3千億円、雇用で約2万3300人。
産業活性化プログラムや雇用創出プランは、財政立て直しプランの整合性を取るために見直しが必要ではないか。
推進に当たり、知恵と工夫を最大限に発揮しながら取り組んでいく。
財政立て直しプランの集中対策期間は、大きな影響が懸念される。この期間、特別重点施策を設定すべきではないか。
政策主導の予算編成システムである「特定重点施策」の積極的な活用はもちろん、全庁あげた取り組みで、雇用創出や民間需要に誘発効果の高い施策の展開に努める。
企業立地促進条例の事業費についても、財政立て直しプランにおいて、縮小対象になることが予想されるが。
見直しに当たっては、条例の持つ企業誘致の強いインセンティブ効果を持続させることが必要で、道商工業振興審議会等の意見を聞きながら、慎重に検討する。
立地条例は19年度で終了するが、継続は必然的なものと考えるが。
今後の取扱いは道政上の大きな課題になると認識。将来における道の産業政策のあり方という視点で対応する。
今年度の若年者の雇用創出の目標設定は。
就職面接会の開催等、各種施策実施で、1700人の雇用創出を目指す。
国の若年者就業支援ワンストップセンター(ジョブカフェ)への道の関わりは。これまで実施してきた道の若年者就業対策との関連は。
運営は、北海道雇用開発協会を中心とする民間事業者だが、全体的な事業管理は道が行っていく。これまでの道の対策は、主に在学中の生徒・学生等を対象にしてきたが、ジョブカフェ事業では、フリーターや若年無業者まで対象を拡大し、雇用対策を総合的に推進していく。
(2) 道警不正会計処理問題について
道警の協力がなければ、まともな監査はできないと言う監査委員の指摘への、道警本部長の見解は。
警察法2条の犯罪捜査・被疑者逮捕等の責務遂行に重大な支障がない範囲で協力してきた。今後も、できる限りの協力をし、監査が円滑かつ的確に実施できるよう配意する。
現職、OBを含めて、元幹部職員への事情聴取は不可欠。道警内部調査ではどう対応してきたのか。
調査では、現職及び退職者の署長、副署長等について、調査目的・必要性の理解を得て、面接、聴取している。
道監査委員の事情聴取への対応は。
これまで捜査員が監査委員の事情聴取を拒んだことはない。捜査協力者については、以後の捜査活動に重大な支障を来すと回答した。職員の説明では、心証が得られない場合に、どういう協力が可能か、個別・具体に検討させてもらいたい。退職者には、事情の許す限り要請に応じてほしいと考えている。
道警が、弟子屈署で、13年度からは、予算が適切に執行されるようになった要因と説明している警察改革に関し、道警は、当時どのように取り組んだのか。
署長会議等を通じての警察改革に向けた基本理念浸透、職員意識改革等に努めた。
13年度に導入されたという「捜査諸雑費制度」に関し、通達等の公文書はあったのか。道警は、当時の捜査用報償費の執行の状況をどう把握して、導入の必要性を判断したのか。
13年度当初、警察庁が作成した「捜査用経理の手引き」により周知、これ以外の公文書はない。日常的な捜査活動で使用する少額、多頻度の経費について、適宜執行確保、自己負担解消、経理事務軽減との現場の声もあり、導入した。
弟子屈署で、13年度から不正支出をやめる意思決定は、どういう形で行われたのか。それなしに、出来上がっていた裏金システムが是正されることはありえない。
警察改革の気運の中、予算執行者である署長自らの予算適正執行の意識改革、捜査諸雑費制度の導入が職員一人一人の意識改革の契機になったと思われる。

<再質問>
(1) 道警不正会計処理問題について
道警の特別調査と、道監査委員の特別監査が並行して実施されるが、結果の食い違いへの認識は。双方の事情聴取の量と質に差があっては、調査結果に客観性が保てないと考えるが、今後の監査への協力姿勢は。
ある程度、結果に差が出ることも考えられるが、事実関係を多角的に明らかにするということは、意味があると考えている。監査委員の要請には、できる限り対応し、事情聴取の差等の問題が生じないよう、配意する。
弟子屈署で、予算執行が適正になったことの答弁は、納得できない。
署幹部をはじめ、署員個々の会計管理に対する意識改革が徹底されていったと考えている。


沢岡 信広(北広島市)
(1) 北海道行政公益通報条例の制定について
道警不正会計処理問題を巡って、行政における公益通報制度、内部告発者保護制度の必要性がクローズアップされた。先に、わが会派が、提言した「北海道行政公益通報条例」についての知事の見解は。
職員が道民の生命・身体・財産等の保護に関する法令等の遵守は極めて大切。当面は、職員倫理規則の不正通報職員の保護規定の適切な運用に努めながら、公益通報者保護法の成立を受け、どのような対応が適切か検討していく。
職員倫理規則は、内部告発者保護規定としては、極めて不十分。通報者・告発者保護の明文化が必要だ。
職員は、地方公務員法で身分が保障されている。公益通報者保護法では、公益通報を理由にする解雇の無効、不利益な取扱い禁止等が明文化され、一定の保護規定が盛りこまれていると認識している。
今後の検討スケジュールは。
公益通報者保護法の内容や、2年以内に定めるとされている施行に向けた政令の内容等を見極める必要があり、現時点で時期を示すことは困難。
道警こそ、公安職員公益通報制度の必要があるのではないか。道警本部長の見解は。
今後、公益通報者保護法の内容や審議状況等を参考に、制度を研究したい。
(2) 道警不正会計処理疑惑について
平成11年4月に道警本部会計課が作成したとされる文書、「新任副署長・次長研修資料(会計一般)」の真否は。
確認の結果、内容から、当時、道警本部会計課で作成されたと思われる。
文書には「近時は合理的思考と率直な平等観念の強い職員が多くなっており、書類作成、経費使途に改善と努力を払わねば将来の警察の団結と結束に重大な支障を生じる危険がある」、「会計職員として、不適格と認められる者は英断を持って排除」との記述がある。不正会計や裏金隠蔽の人事考課を意味するものではないのか。
前者は、無駄と思われる書類作成指示や、予算の非効率、不平等な執行に問題意識を持つ職員が増え、より合理的、バランスの取れた予算執行に配意すべきという趣旨と理解。後者は、必要な資質や適性を欠く者を異動させることに消極的であってはならない旨を述べたと理解する。
不正会計処理・裏金づくりの中心当事者になる新任副署長・次長に、その奥義を伝授するものだったとしか思えない。会計実務の研修はどうなっているのか。
新任副署長・次長については、従来は、全道副署長・次長会議で、会計実務研修を行っていたが、今年度から新任副署長・次長研修会を設け、予算執行にいささかのミスもないよう細かなところまで、指示・教養している。
民主党が入手、国会で追及した、警察庁作成の「会計検査院検査官個人別応問状況」への道警の関わり、本部長の見解は。
警察庁は「作成したことはない」と答弁したと承知。道警との関わりも、資料を確認していないため、答えられない。
15年度の道警予算の執行状況が公表されたが、報償費の執行率は67%。未執行額は、なぜ増加しているのか。
報償費の約8割を占める捜査用報償費の執行額減少が原因と考えられる。犯罪捜査への道民協力の確保が困難になり、犯罪多発等で協力者運用による内偵捜査が十分に出来なくなっていることなどが要因と考えられる。
道警内部での不正会計処理が、営々と引き継がれてきたとの告発が相次いでいる。過去の疑惑解明をどうするのか。
平成9年度以前の予算執行については、会計書類が保存されていない等から、特別調査を行っている10年度以降と同じような調査は困難だが、10年度以降の執行実態を踏まえ、それ以前の状況を判断していきたい。
今春、知事部局から、道警に10人の職員が派遣されたが、肝心の会計課受け入れは1人のみ。派遣への知事の見解は。
目的は現場での実働警察官の増員による安全安心な地域づくり。派遣先は、知事部局との連携も考慮しつつ、道警本部と調整して選定した。会計部門派遣については、会計処理事務に関するノウハウ共有、事務の合理化等を期待。
派遣受け入れについての道警本部長の見解は。
1人でも多くの警察官を現場業務に従事させ、第一線の警察力強化が目的。

<再質問>
(1) 道警不正会計処理疑惑について
本物のコピーであると認めた「新任副署長・次長研修資料」に、「捜査員の中には、その経理に疑問を持つ者もおり、時として内部告発者として現れることを常に念頭に置く必要がある」と記述があるが。
協力者の運用の実情等を知らない他の捜査員が、捜査費執行に疑念を抱き、内部告発者となり得ることに注意喚起した趣旨と理解する。
活動経費執行に関して「単に形式を整えるだけではなく、実態と書類が一致するような運用が必要」との記述は、巧妙な書類づくりの示唆の感がある。こうして作成された書類の点検確認には第三者のチェックが必要ではないか。
特別調査は、道警を第三者的立場から管理する公安委員会に報告、指示を受け、監察の指示事項の点検のための監察担当委員となった、法曹(弁護士)である矢吹公安委員の指導助言を受け調査を進めている。まさに第三者から点検を受けつつ、公正かつ厳正、客観的な結果を得られるものと確信している。
「捜査費・捜査用報償費の証拠書類は自ら保管、異動の際には後任者への引継を完全に行う」との記述がある。会計担当者とは別途に、副署長・次長が行う必要性は。
「捜査費経理の手引き」「捜査用報償費経理の手引き」で、副署長・次長は、取扱補助者と定められている。
過去のいまわしい歴史の清算を決意、不正・不適正な会計処理を根絶する決意が大前提として求められる。調査や監査対応に真摯に臨むことへの、本部長の認識は。
2月に予算執行調査委員会を立ち上げ、旭川中央署、弟子屈署の調査結果を報告。3月に公安委員会監察指示を受け、10−15年度の予算執行特別調査を、全道159所属に関し実施中。調査に当たっては、必ずしも十分な資料がない中で、捜査員の手控えや、数度にわたる聴取での相互説明の突き合わせなどで、事実関係を可能な限り明らかにしてきた。

<再々質問>
(1) 道警不正会計処理疑惑について
道庁が不正経理問題後、約10年間に渡り、道庁再生、道政の信頼回復に取り組み続けていることへの、道警本部長の認識は。
道庁の問題、その後の措置は承知しているが、道警の予算執行問題については、自らの問題は自らの手で解決し、自らが予算執行の適否を解明することが、道民の信頼回復につながる。調査に全力で取り組み、速やかに結果を得て、道議会、道民に説明したい。
up


委員会における主な質疑

(1) 常任委員会・特別委員会(3月〜6月)
 総務委員会では、橋由紀雄(空知支庁)議員が5月11日に、道警捜査用報償費問題に関し、道警報償費等の公表問題、弟子屈問題、住民監査請求監査結果などについて、財政立て直しプランについて、斉藤博(函館市)議員が4月8日に、道警捜査用報償費問題に関し、弟子屈署の不正支出と組織的な裏金づくりの認識、平成12年度の捜査活動経費などの処理、平成12年度とその前後年度の執行状況、途中経過報告における判断と報告の時期などについて、5月11日に、道警捜査用報償費問題に関し、弟子屈署、旭川中央署問題について、6月1日に、道警捜査用報償費問題に関し、会計文書の破棄、未作成問題、道監査委員による特別監査への対応、特別監査の実施方法について、小谷毎彦(北見市)議員が4月8日に、道警捜査用報償費問題に関し、道監査委員、会計検査院などへの対応、予算執行調査委員会のあり方、調査報告結果発表のあり方について質疑。
環境生活委員会では、蝦名清悦(北区)議員が3月24日に、北海道PCB廃棄物処理事業の拡大要請について質疑。
保健福祉委員会では、岡田篤(釧路支庁)議員が4月6日に、地域医療問題について、5月11日に、道立病院について、6月7日に、北海道における今後の難病対策のあり方について、三津丈夫(帯広市)議員が5月11日に、社会福祉法人北海道社会福祉協議会地区事務所について質疑。
経済委員会では、沖田龍児(苫小牧市)議員が4月6日に、ほっかいどう産業活性化プログラムについて、三井あき子(旭川市)議員が6月1日に、一村一雇用おこし支援事業について質疑。
農政委員会では、池本柳次(十勝支庁)議員が3月23日に、鳥インフルエンザ再発防止対策について4月6日に、直接支払政策について、北準一(空知支庁)議員が3月23日に、FTA、食料農業農村政策審議会の議論、米政策ビジョンについて、保村啓二(網走支庁)議員が4月6日に、BSEの感染究明について質疑。
建設委員会では、沢岡信広(北広島市)議員が4月6日に、北海道住宅供給公社の新体制について、6月1日に、北海道住宅供給公社の平成15年度決算について、田村龍治(胆振支庁)議員が3月23日に、赤岩トンネルの工事に係るその後の経過について質疑。
文教委員会では、佐野法充(豊平区)議員が5月11日に、義務教育費国庫負担制度に係る要望実施について、佐々木恵美子(十勝支庁)議員が3月23日に、特殊教育諸学校におけるスクールバスの借り上げについて、6月7日に、平成17年度公立高等学校適正配置計画の見通し及び平成17年度公立特殊教育諸学校配置計画の見通しについて、勝部賢志(江別市)議員が6月7日に、平成17年度公立高等学校適正配置計画の見通し及び平成17年度公立特殊教育諸学校配置計画の見通しについて質疑。
地方分権・道政改革問題調査特別委員会では、佐野法充委員(豊平区)議員が3月23日に、町としての要件に関する条例の一部を改正する条例案について、4月7日に、道州制プログラム(案)及び平成16年度道州制推進プラン(案)について、池本柳次(十勝支庁)議員が5月12日に、道州制特区に向けた提案などについて質疑。
少子・介護対策特別委員会では、三津丈夫(帯広市)議員が5月12日に、児童養護施設における入所児童に対する不適切な処遇について、現在長期間学校を休んでいる児童生徒に関する北海道の状況について、佐々木恵美子(十勝支庁)議員が4月7日に、支庁の機構改正と相談援助機能の充実について、6月2日に、情緒障害児短期治療施設の整備について、三井あき子(旭川市)議員が6月7日に、北海道子ども未来づくり条例(仮称)について質疑。

(2)第二回定例会予算特別委員会

 第二回定例会予算特別委員会(滝口信喜委員長)は、6月18日〜23日に開かれ、第1分科会(蝦名清悦委員長)で勝部賢志(江別市)議員が医療費助成制度見直しについて、道州制について、地方税財政改革について、沢岡信広(北広島市)議員が道警不正会計処理問題への知事の対応について、道警不正会計処理問題への道監査委員の対応について、道警不正会計処理問題への道警の対応について、道財政立て直しプランについて、三井あき子(旭川市)議員が道財政立て直しプランについて、米海兵隊の基地移転・移転訓練について、第2分科会で須田靖子(札幌市手稲区)議員が自動回転ドアについて、小谷毎彦(北見市)議員が間伐材の利用拡大と担い手対策について、建設事業における間伐材利用について、農業事業における間伐材利用について、田村龍治(胆振支庁)議員が新たな食料・農業・農村基本計画について、黒毛和種の振興について、季節労働者の雇用について、平出陽子(函館市)議員が高校適正配置計画について、特別支援教育についてそれぞれ質疑した。総括質疑には、勝部、沢岡議員が立ち、道州制について、財政立て直しプランについて、道警不正会計処理問題について知事に質した。
<附帯意見>
1. 道州制特区構想の提案に当たっては、地域主権の理念に沿って、道民とともに主体的 に取り組み、北海道の展望を切り拓くものとすべきである。また、道州制北海道モデル事業推進費については、補助事業の弾力化やソフト事業など対象事業の拡大を国に求めるべきである。
1. 道財政立て直しプランの策定に当たっては、道民の理解と協力が不可欠である。道民生活に与える影響に配慮するとともに、道自らが徹底した行財政改革に取り組むべきである。
1. 道警捜査用報償費等については、不適正経理の一部分が明らかとなりつつあるが、その解明は不十分で、道民の不信は払拭されていない。速やかに説明責任を果たし、道民の前に全容を明らかにすべきである。
up


当面する課題と会派の対応


(1)道財政立て直しプランについて 
 知事は、就任後、財政再建に急ハンドルを切り、赤字再建団体転落の危機感を打ち出しつつ、昨年8月に、庁内に財政立て直し推進本部を設置、道財政立て直しプランの策定作業を進めている。
 国が、財政再建のツケを地方に回すと言うべき、地方税財政改革も大きく影響しているが、国に対する主張への、道、知事の姿勢はあいまいなままだ。
 また、道庁の機構自体の見直しを進め、さらに関与団体、大型公共事業、特別会計・企業会計等の見直しのために、第三者を交えての評価、道民や市町村との合意などが必要だが、道の作業には、こうした点が欠落している。
 財政に余裕が失われたことを理由にしての、医療費助成制度等の、道民を支える施策の後退ばかりが、突出している。
 就任以来、示されてきた知事の国への基本姿勢は、「従う」、「お願いする」、「活用する」。この裏返しとして、国並みを越えるものには冷淡であることが、むき出しになっている。
 しかし、2定議論では、示されるはずだった「プラン案」を「素案の修正」にとどめ、各個別事項の論議を、真っ正面から受けとめることを避け、はぐらかし答弁に終始した。
 道の、今後の行財政運営、道民生活、市町村行政を長期に渡って制約するものでありながら、知事の「私的メモ」とも言わんばかりの取り扱いをされていることは、大きな問題だ。知事、道の答弁が「今後の検討」ばかりで終始した以上は、同プランに関する論議を、今後も粘り強く進めていかねばならない。
 一方、会派は、提言検討や、議会議論の参考にするため、全道市町村や団体を対象にしたアンケートを4月から5月にかけて実施した。市町村分の回収率は75%と高く、回答は「立て直しプラン」への不安や不満が強く出された。
 道から説明があったと受けとめているのが、回答の内、3割に止まり、7割が「説明がない」との回答。道が、素案を郵送したり、あるいは市長会や町村会を通じて意見聴取をしたりという、従来型の手法しか講じていないことへの不満が強く出たと思われる。
 プラン実施が与える影響については、当然ながら、8割が懸念を示した。1町のみ「影響は生じない」という回答があった。残る2割は、「プランの詳細が明らかになっていない」などから「わからない」との回答。2定途中の総務委員会において、道は、高橋由紀雄(空知支庁)議員の質問に答え、市町村への補助金や交付金の削減額が114億円に達すると、はじめて明らかにしたが、こうした、積み上げ数字すらが、なかなか明らかにされない現状にある。
 道プラン素案や、会派提言への意見記述では、市町村の怒りや、戸惑いが強く表明された。「知事政策として事業を創設して、道・市町村・受益者の負担で成り立っているものを、道負担を削減して、市町村や受益者の負担を強いるのは問題」等という指摘をはじめとして、医療や福祉など、道民の生命や暮らしに関わる部分への慎重な検討を求める声も多く、医療費助成制度改定などで、「市町村とは、協議・合意済み」とする道の説明との落差が強く出た。また、「道が国と同じ手法を用いようとしている」等、一方的な改定実施への批判、「市町村や住民の意見を聴くことなく、説明も不十分」という道の作業の進め方への不満も目立った。
 このアンケート結果も踏まえて、会派として3回目の提言を実施、道は、これを受けて、急きょ、支庁レベルでの市町村説明を実施するなどの、対応に追われた。


北海道行政公益通報条例(仮称)制定への提言
2004年6月8日
北海道議会民主党・道民連合議員会


 行政に携わる者が、公益の奉仕者としての自覚と責任を持ち、行政事務を適法かつ公正に執行することは極めて基本的な責務である。しかし残念ながら、道民の期待と信頼に背くケースは後を絶たない。とりわけ、この度の道警の捜査用報償費問題に端を発する会計処理を巡る問題に関しては、多くの道民がその全面的な事実解明と警察行政の適正な執行を切望しているものであり、今後二度とあってはならないものである。
 行政の執行に当たり、違法又は不当な事実があったことを知り得た者が、何の保護制度もない中で、自らの不利益を顧みず通報し、事態が未然に防止されることを期待することは、無責任と言わざるを得ない。通報する相手先、保護対象となる内容、通報者や公益の保護の仕組みをしっかりと定めることによって初めて、公益侵害の抑制効果と自浄作用が生まれ、公益が確保されることが期待できる。
 この仕組みを定める条例は、形骸化した条例とならないよう徹底した通報者保護の仕組みを盛りこむとともに、条例制定後においても、条例が機能しているかを不断に検証できる、実効性のあるものを道民総意で創り上げることが必要である。
 条例制定を契機に、道行政に携わる者が、不正や不当な事実は隠さない、許さないという意識を共有し、道民の信頼と期待に応えるための新しい第一歩に踏み込むことを強く期待するものである。
 本議員会は、こうした考えを基に、「行政公益通報条例(仮称)」の制定について提
言する。

保護対象者、公益通報の対象範囲、通報の方法、通報の相手先、保護の内容、知事等の責務等については、制限的、曖昧な規定の仕方によって公益の確保や通報者の保護に支障が生じないよう明確に規定すること。
 公益の確保と通報者の保護に背反する行為は無効とするとともに、その行為をした者に対する厳格な罰則規定を条例に盛り込むことにより通報者の保護を徹底すること。
 条例において対象となる公益通報に係る事実については、守秘義務違反が免責される規定を条例に明確に盛り込むことにより、実効性のある条例とすること。
 本条例の重要性にかんがみ、細部にわたるまで条例によって規定することを大原則とし、規則によるものは極めて単純な手続き規定に限定すること。
 本条例の重要性にかんがみ、細部にわたるまで条例によって規定することを大原則とし、規則によるものは極めて単純な手続き規定に限定すること。

以上


(2)道州制問題について

 知事自身の思いのなかには、まったくなかったはずが、昨年の衆院選における自民党公約に盛りこまれて、急浮上した「道州制」への知事、道の対応は、まさに惨状を呈している。
 そもそも、道州制に関しては、国の出先の集約(形を変えた新たな中央集権)なのか、地方自治政府(連邦制)なのか、権限・税財源を大幅に移譲された新たな大規模地方自治体なのかが未整理なままで、道庁内だけでの論議が進行している。
 しかも、道の発想には、住民と直接向き合う市町村への「地域内分権」「道内分権」が決定的に欠けている。そしてまた、道民・市町村との協働が、まったくと言って良いほど行われていない。道民・市町村に、知らされていない「構想」が、中央省庁と道庁の間で、やりとりされているのが、現状だ。
 道州制にせよ、あるいは財政再建プランにせよ、それは北海道民全体のためのもので、北海道庁・道職員のためだけに行われるものではない。「国の都合の押しつけをはねかえす」と知事が曲がりなりにもいうのであれば、道庁の都合を一方的に市町村や道民に押し付けるべきではないし、道民世論を喚起して、それを背景に、国と戦う気構えを持つべきだが、それはまったく見えてこない。
 国に急がされて、大車輪で作り上げた「道州制プログラム」「道州制特区に向けた提案」を内閣府に提出したのが4月26日。知事が、経済財政諮問会議に出席して、説明したのが、1ヶ月後の5月28日。この場で、国の出先機関統合と道内分権の2項目の再提案を「1ヶ月」の期間を切られて求められた。
 ところが、この再提案にむけた「たたき台」を、6月17日に、内閣府に事前協議に持ち込んだところが、「1ヶ月では無理。経済財政諮問会議も7月末まで開かれない」との理由で、“差し戻された”と言う。議会議論では、この「たたき台」の内容も、一切明らかにされないにも関わらず、「1ヶ月では、きついと思っていた。この期間を最大限活用して、市町村や道民から幅広い意見をもらい、よりよい提案にしていきたい」(予算特別委員会総括質疑での知事答弁)。
 また、2定で、やっと提案・可決された、道州制北海道モデル事業推進費についても、開発局との調整が滞るなどで、具体事業の内容を明らかに出来ない状況にある。
 小泉政権が、衆院選挙の公約に織り込んだ、泥縄式の「特区構想」のほころびが、次々に露呈、「国が大事」で、国にお願いするばかりの高橋知事が、すっかりそれに振り回されている状況だ。
 国の発想は、市町村合併と同様に、国の負担を地方に押し付けるためだけの、都道府県合併というものでしかないにしても、北海道の取り組みの現状は、余りにお粗末すぎると言わざるを得ない。道州制を、真剣に検討する、他地域の期待を裏切りかねないものだ。
 国に振り回されることなく、道民や市町村と、しっかりと、腰を据えた論議を、やり直すべきだ。そうでなければ、中央省庁の抵抗を、はねのけることはできない。


(3)道警の捜査用報償費をめぐる疑惑について

 社会正義を実現すべき、警察という場で、会計の不正処理が行われているということの問題は、重大かつ深刻である。
 警察の対応は、当初の「疑惑はない」と言う全否定から、相次ぐ告発などによって、「一部、不適正な予算執行があった」と認めざるを得ず、議会質疑においても、およそ信じ難い言い訳を繰り返してはいるのだが、依然として、問題を「内部告発」などで、表面化したものだけで、収めようとの基本姿勢での対応が続いている。
 警察の信頼回復、道警改革のためには、徹底した解明、厳格な処分が必要だ。道監査委員の監査などを見守りつつも、道議会には、自らに付された権能を発揮するためにも、地方自治法に基づく100条特別委員会などでの調査への取り組みが、求められている。 そうした意味で、1定に続き、「時期尚早論」で、委員会設置に反対に回った自民党などの姿勢は、道警の疑惑隠し姿勢に手を貸すものだ。また、知事も、一時的に見せていた解明への前向き姿勢を、2定の論議では、すっかり後退させてしまった。会派が提言した、行政公益通報条例制定についても、後ろ向きの姿勢でしかない。


北海道行政公益通報条例(仮称)制定への提言
2004年6月8日
北海道議会民主党・道民連合議員会

 行政に携わる者が、公益の奉仕者としての自覚と責任を持ち、行政事務を適法かつ公正に執行することは極めて基本的な責務である。しかし残念ながら、道民の期待と信頼に背くケースは後を絶たない。とりわけ、この度の道警の捜査用報償費問題に端を発する会計処理を巡る問題に関しては、多くの道民がその全面的な事実解明と警察行政の適正な執行を切望しているものであり、今後二度とあってはならないものである。
 行政の執行に当たり、違法又は不当な事実があったことを知り得た者が、何の保護制度もない中で、自らの不利益を顧みず通報し、事態が未然に防止されることを期待することは、無責任と言わざるを得ない。通報する相手先、保護対象となる内容、通報者や公益の保護の仕組みをしっかりと定めることによって初めて、公益侵害の抑制効果と自浄作用が生まれ、公益が確保されることが期待できる。
 この仕組みを定める条例は、形骸化した条例とならないよう徹底した通報者保護の仕組みを盛りこむとともに、条例制定後においても、条例が機能しているかを不断に検証できる、実効性のあるものを道民総意で創り上げることが必要である。
 条例制定を契機に、道行政に携わる者が、不正や不当な事実は隠さない、許さないという意識を共有し、道民の信頼と期待に応えるための新しい第一歩に踏み込むことを強く期待するものである。
 本議員会は、こうした考えを基に、「行政公益通報条例(仮称)」の制定について提言する。

保護対象者、公益通報の対象範囲、通報の方法、通報の相手先、保護の内容、知事等の責務等については、制限的、曖昧な規定の仕方によって公益の確保や通報者の保護に支障が生じないよう明確に規定すること。
 公益の確保と通報者の保護に背反する行為は無効とするとともに、その行為をした者に対する厳格な罰則規定を条例に盛り込むことにより通報者の保護を徹底すること。
 条例において対象となる公益通報に係る事実については、守秘義務違反が免責される規定を条例に明確に盛り込むことにより、実効性のある条例とすること。
 本条例の重要性にかんがみ、細部にわたるまで条例によって規定することを大原則とし、規則によるものは極めて単純な手続き規定に限定すること。
 本条例の重要性にかんがみ、細部にわたるまで条例によって規定することを大原則とし、規則によるものは極めて単純な手続き規定に限定すること。

以上

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