記者コラム

秋らしい自然の楽しみ方

「あれ松虫が鳴いている」―。子供のころに耳にした秋の歌を聞くことがなくなった。街なかで「チンチロチンチロチンチロリン」などの虫の声を聞くことがなくなったからだろうか◆水田地帯に育ったので、トンボの大群は毎年晩夏から秋にかけてよく見かけた。稲穂にとまったトンボに人差し指でぐるぐる回すと捕まえやすかった。そんなトンボたちも、水田が減ったせいだろうか、水辺環境が少なくなったせいだろうか、最近はすっかり見かけない◆そのトンボは、美幌博物館でたくさん見かける。もちろん、写真や標本での話だ。特別展が28日で終了する。10月から展示品の一部を入れ替えたので、リピーターにも楽しめる。トンボが生活に深くかかわった資料もたくさんあって、見ごたえ十分。来月には図書館でも特別展のほんの一部を持ち込んで移動展が開かれる予定だという◆美幌町は、昔ながらの自然が残る地域だと学芸員はいう。だから、希少種の貴重な動植物が生息している環境にある。いや、希少種ばかりではなく、普通の動植物も姿を消しつつあるのだから、残された環境を守ってあげたいものだ。秋は秋らしい自然の楽しみ方を残すために。    (本多)

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